前橋競輪場の特徴と予想方法｜日本一のカントを誇る超高速バンクを徹底解説

バンクデータ｜詳細なスペックをチェック

前橋競輪場は、国内に43ヶ所ある競輪場の中でも特異なバンクデータを持っています。以下にそのスペックを紹介します。

• 周長: 335メートル
• 見なし直線距離: 46.7メートル
• センター部路面傾斜: 36°0′0″
• 直線部路面傾斜: 4°0′0″
• ホーム幅員: 9.9メートル
• バック幅員: 9.9メートル
• センター幅員: 9.9メートル
• 最高上がりタイム: 8.8秒（中川誠一郎選手、2014年9月13日）

まず注目すべきは、その周長が335メートルである点です。
過去には500mの屋外バンクでしたが、現在の335mの全天候型ドームバンクとして生まれ変わりました。

見なし直線距離は46.7メートルとなっており、他の333mバンクと比較するとやや長いです。

しかし、全国平均の見なし直線距離（約54.4m）と比べると約10m以上も短いため、先行する選手が最後の直線で失速しにくい傾向があります。

そして最大の特徴と言えるのが、日本一急なカント（傾斜）。
センター部の路面傾斜は最大で36°にも達し、コーナーから直線に入る際に「山おろし」と呼ばれる驚異的な加速を生み出す要因となります。

これらのバンク特性から、前橋競輪場は「超高速バンク」や「ルーレット」とも呼ばれており、スピード感あふれるレースが展開されやすいです。

気候｜ドームバンクの利点と影響

前橋競輪場は、1990年に現在のグリーンドーム前橋に移転して以降、日本初の全天候型ドームバンクとなりました。

ドームバンクであることの最大の利点は、雨や風といった天候の影響を一切受けないという点です。
前橋競輪場では天候に左右されること無く、常に一定の条件下でレースが行われます。

また、日によってバンクのコンディションが変わることがないため、過去のデータや選手の競走得点、前日成績などを重視した予想がしやすくなります。

特に、風の影響がない「無風バンク」であることは、先行する選手にとって大きなメリットとなります。

追い風も向かい風もないため、ラインの先頭選手が抵抗なく自分のペースで走れるため、より一層「逃げ」が有利になりやすい要因の一つとなっています。

• 前橋競輪場の周長は335メートル、見なし直線距離は46.7メートル
• 最大の特徴は36°の急傾斜カントと全天候型ドームバンク
• 天候に影響されないため、選手の実力を最大限に引き出せる

1着の決まり手｜クラス別に見る傾向

前橋競輪場における1着の決まり手は、レースのクラスや出走人数（9車立てか7車立てか）によって傾向が異なることがデータから読み取れます。

以下の表は、クラス別の1着の決まり手割合です。

このデータを見ると、S級のような上位戦では選手の実力が拮抗しており、バンク特徴を活かした多様な戦法が繰り出されるため、差しや捲りが決まりやすくなると考えられます。

一方、A級やL級では「逃げ」の割合が比較的高く、L級（ガールズケイリン）では「捲り」が圧倒的に多いという特徴が見られます。

これは、L級がラインを組まない個人戦であり、前橋競輪場の日本一急なカントが、コーナーからの強烈な「山おろし」加速を可能にし、捲りを狙う選手にとって非常に有利に働くためです。

一般的な333mバンクと比較すると、前橋競輪場は「逃げ」が格段に決まりやすいバンクであるという見方が強いです。

ただし、見なし直線が他の333バンクよりやや長い点は「差し」が決まる可能性も示唆しています。
これらの要素が絡み合うため、「ルーレット」とも呼ばれるように展開を読むのが難しい側面もあります。

2着の決まり手｜「マーク」が圧倒的

次に、前橋競輪場における2着の決まり手を見てみましょう。

全てのクラスにおいて、2着の決まり手で最も高い割合を占めているのは「マーク」です。
これは、先行する自力型選手に付けた番手選手が、最終直線で前を抜ききれずにそのまま2着に残るケースが多いことを示しています。

特にL級ではマークの割合が非常に高く、50%を超えています。
このことから、前橋競輪場ではラインの結束力が非常に重要であり、先行する自力選手の後ろに位置するマーク選手が極めて有利になる傾向があることが明確にわかります。

また、逃げた選手が他の選手に差されたり捲られたりしても、バンクの軽さや粘りによって2着や3着に残りやすい「逃げ残り」のケースも他のバンクと比較して多く見られます。

これらのデータは、単に1着の決まり手だけでなく、2着の決まり手、特に「マーク」や「逃げ残り」を意識したライン構成や展開の読みが、前橋競輪場での的中には不可欠であることを示しています。

• 前橋競輪場は独特なバンク特性が影響
• 1着の決まり手は「差し」や「捲り」が多い
• 2着は「マーク」が圧倒的に多い

「逃げ」の自力選手と「マーク」の番手選手に注目！

前橋競輪場での予想において、まず最も重要なポイントとなるのが「逃げ」を決める自力型選手と、その後ろに位置する「マーク」選手の動向です。

他の333mバンクと比較しても「逃げ」が非常に決まりやすいという特徴があり、周長が短く、見なし直線距離も比較的短いことに加え、強烈な「山おろし」による加速、そしてドームによる無風状態が複合的に作用し、先行選手が最後まで粘りきりやすいためです。

したがって、レースを予想する際は、まずは逃げを狙う自力型選手の1着を普段より意識して検討することが重要です。

次に注目すべきは、2着の決まり手です。
前橋競輪場では、どのクラスのレースでも「マーク」が圧倒的に高い割合を占めています。

これは、先行する自力選手の力を借りてスピードに乗った番手選手が、最終直線で前を抜ききれずにそのまま2着に入線するケースが多いことを示しています。
データによっては2着のマーク率が50%を超えることもあります。

したがって、「逃げ-マーク」というラインでの決着は、前橋競輪場における最も基本的な狙い目の一つと言えるでしょう。

クラスや展開による決まり手の変化と「逃げ残り」を意識！

前橋競輪場の決まり手傾向のは、1着の決まり手は差し、逃げ、捲りがほぼ同率となっていますが、S級戦に絞ると差しや捲りの割合が高まる傾向も見られます。

特に、L級（ガールズケイリン）ではラインを組まない個人戦であるため、急カントを活かした捲りが非常に有利となり、1着の決まり手として圧倒的に多い傾向があります。

また、前橋競輪場は「ルーレット」と称されるほど展開を読むのが難しい側面があります。
335mという短い周長では、後方に置かれてしまうと勝負権が得られないため、選手たちは常に中団から上位をキープしようと動き、先行争いが激しくなりやすい傾向があります。

この複雑な展開の中で、逃げた選手が他の選手に差されたり捲られたりしても、バンクの軽さや粘りによって2着や3着に残りやすい「逃げ残り」のケースも他のバンクと比較して多く見られます。

つまり、逃げた選手が1着を獲りきれなくても、そのまま2着や3着に残る可能性も十分に考えられるのです。

ラインの重要性と車番の傾向から狙い目を探る！

前橋競輪場の予想におけるもう一つの重要なポイントは、「ライン」の存在です。
短い見なし直線距離や急なカントなどのバンク特徴により、前橋競輪場ではラインが千切れにくく、そのままラインで上位を独占する「スジ車券」が出やすい傾向があります。

特に実力が突出している「有力ライン」がいる場合は、そのラインでの上位独占を本命として狙うのが有効な戦略となります。

高配当を狙うなら、思い切ってライン1本に絞った予想をすることも有効かもしれません。
ラインを組むレースでは、選手の脚質だけでなく、ライン全体の力や結束力にも注目しましょう。

一方で、4・6・8番車、通称「ヨーロッパ」は、競走得点の低い選手が配置される傾向があり、勝率や連対率は低い傾向にあります。

ドームバンクであるため天候の影響を受けず、選手の本来の実力が発揮されやすいバンクでもあるので、車番だけでなく選手の地力やバンクとの相性も考慮して予想を組み立てましょう。

• 逃げを狙う自力型選手の1着を意識する
• ラインの結束力と番手選手の動向に注目
• 車番別の傾向を活かして高配当を狙う

【蕗澤鴻太郎】見なし直線が短いバンクで輝く先行力！

まず注目したいのが、S級1班に所属する蕗澤鴻太郎選手です。
彼の脚質は「逃げ」であり、先行を得意とする自力型の選手です。

前橋競輪場は、その短い周長と見なし直線距離（46.7m）のため、先行した選手が最後まで粘りやすく、「逃げ」が決まりやすいバンクとして知られています。

日本一急なカントからの強烈な「山おろし」加速も、先行選手には有利に働き、他場よりも「逃げ」の1着率が高いデータがあります。
蕗澤選手の得意な「逃げ」という脚質は、まさにこの前橋競輪場のバンク特性と非常に相性が良いと言えるでしょう。

彼のこれまでの成績を見ても、総出走数に対して勝率が高く、特にF2レースでは高い勝率を記録しています。
これは、前橋競輪場のバンクが彼の先行力を最大限に引き出している証拠とも言えます。

前橋競輪場でのレースで蕗澤選手が出走する際は、特に「逃げ」からの1着を狙って予想を組み立てる価値は大いにあるでしょう。

【恩田淳平】勤勉さと粘り強さが光るS級差し・マーク選手！

次に紹介するのは、同じくS級1班で活躍する恩田淳平選手です。
彼の脚質は「追込」で、得意な決まり手は「差し」と「マーク」です。

恩田選手のような「差し」「マーク」を得意とする選手は、前橋競輪場におけるこの「マーク」の決まり手傾向に合致しており、ラインの2番手、3番手として上位に絡む可能性が高いと言えます。

特に前橋競輪場は、短い見なし直線距離のためラインが千切れにくく、そのままラインで上位を独占する「スジ車券」が出やすい傾向があります。

恩田選手が実力のある自力型選手の後ろにつけるラインを組んだ場合は、そのラインでの決着を狙う有力な候補となるでしょう。

また、彼は過去に学業優秀賞を受賞するなど勤勉な姿勢を持ち、2024年にはF1優勝を2度飾るなど、選手としての勢いも増しています。

【河内桜雪】捲りが有利なL級で注目の若手！

最後に紹介するのは、2022年にデビューしたL級1班に所属する若手のホープ、河内桜雪選手です。

河内選手の脚質は「両」となっており、状況に応じて様々な戦法を取れる柔軟性を持っています。
前橋競輪場のL級戦で最も有利とされる「捲り」の戦法も十分に駆使できると考えられます。

デビューしたばかりでまだ優勝経験は少ないものの、車券に絡むことはしばしばあり、実力のある選手が集まる中でも上位に食い込むポテンシャルを秘めています。

特に人気が集まりにくい新人選手であるため、彼女が車券に絡んだ際には高配当となる可能性も十分に考えられます。
実際、高配当を狙いたい場合の注目選手として名前が挙げられています。

ルックスの高さでもメディアに取り上げられるなど注目度も高く、今後の成長が非常に楽しみな選手です。

• 得意な「逃げ」の脚質を持つ蕗澤鴻太郎
• 「差し」「マーク」を得意とする恩田淳平
• ガールズケイリンでは「捲り」が強い！若手のホープ・河内桜雪に注目！